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見るからに冷たそうにしている。
見た目もひ弱そうだ。
ヤンキータイプじゃないだろう。
「なぁ、大丈夫か?」
「さ・・・・・・寒い・・・・・・。」
だよな。こんな薄いジャージなんて着させやがって・・・・・・。
「しっかり意識を持てよ!30分くらい何とかなるさ!」
男は体を震わせるだけで俺に答えようとしない。
俺に出来る事は他にないか?
いや、声をかけるだけでも少しは気が紛れる筈だ。
「私・・・・・・もう無理・・・・・・。」
今度は俺の後ろの方にいる女子の声が聞こえた。
俺はその方向へと振り向くとその女子は一目散にプールの端に向かっている。
泳いでいる?
何の為に?
いや、あれは・・・・・・。
「おい!!やめろ!」
俺は必死に叫んだが、その女子は寒さに耐え切れずそのままプールサイドから上がってしまった。
すると果穂が少し寂しそうな声を出しながら
「もう・・・・・・私の授業からはそんなに落第者を出したくないのに・・・・・・。」
そう言いながらリモコンを取り出しスイッチを押した。
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