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花火大会の後、後半の講習まで先輩達と会うことはないと思ってたのに、まさかのコンビニで遭遇した。 「ゆーりぃ、海行こう。」 「亮ちゃん先輩まで、その名前で呼ばないで下さい。」 「海は?」 「行きたくないです。」 『地元で泳ぐのは恥ずかしいから勘弁して。』 見透かしたように、「穴場があるから、明日10時ここ集合。」 「行かなきゃダメですか?」 「学校でも『ゆーりぃ』って呼ぶけど。」悪戯っこの顔で言う。 「うっ…。了解しました。」 泳ぐのは好きだけど、何故にこのメンバー? 陸上部の数人と中村君。諦めるしかないか…。 他に話し相手いない状況に追い込まれてる気がする。 穴場ってやっぱり、岩浜の事だったか。慣れた遊び場だし、いっか。 岩場を跳びながら移動し、適当に過ごす。 「痛っ。」振り向くと中村君だ。 「切った?岩浜は裸足は危ないよ?」 「サンダルは荷物と一緒?取って来てあげるから待ってて。」 救急セットと、サンダルと持って歩いていると、真ちゃんが気付いた。 皆にもサンダル履くように伝えた。 戻ると、中村君はカニと格闘していた。 「絆創膏は?」 「ちょっと踏んだだけだし大丈夫そう。」 「そっか、良かった。」 サンダルを渡し、一緒に岩場を歩く。 「どこまで行くんだよ。」 「ここの湧き水まで。美味しいよ?」 「うまっ!ペットボトル取って来る。解らなくなったら困るし居てくれる?」 「いいよ。」 「サンキュー。」 『何だか可愛い。小さな子供みたい。』 数人と一緒にペットボトル片手に戻って来た。 ひと泳ぎしよう。海へ向かい、ひたすら潜る。 久しぶりに、海に潜った。気持ちいい。 先輩に感謝だ。
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