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秋が過ぎて冬…。
いつもの生活に変化が訪れようとしている。
もうすぐ、先輩達は受験シーズンに突入する。
関西の専門学校をいくつか受けるらしい。
図書館にも、三年生が多く、重苦しい空気が漂っていた。
『教室戻ろう。放課後の図書館は暫くお預けだな。』
教室へ戻る。中村君だ。
「図書館は?」
「流石に空気が重くて。」
「亮ちゃんらぐらいじゃね?クリスマスパーティーやるって、息抜きに。」
「余裕だねぇ。そういう人も必要かもね。」
「強制参加決定してるよ。」
「ウソ。」
「本当。『ゆーりぃ』大好きだから、亮ちゃん。」
「笑えない。」
可愛がってくれるのは有難い。
「メンバーは?」
「陸上部プラスアルファ。」
「詳細決まったら教えて?」
バス停に向かう時刻だ。
二人で並ぶのは、くすぐったい。付かず離れず…。
『指細いな…。って何?触りたいと思っちゃった。』
『海水浴辺りからおかしいよなぁ。この気持ちの答えはわかってる。』『好きなんだ、この人のことを。』
「じゃぁ、また明日。」
信号でお互いのバス停へと向かう。
以前はなかったやり取り、確実に変化していた。
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