変化

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『冬休み前の土曜日にカラオケBOXに5時集合だったな。』 当日行ってみると、真ちゃんと亮ちゃん先輩、中村君の3人しかいない。 「他の人達は?」 「皆は、夜の部。」と亮ちゃん先輩。 「そうだ、二人とも合格おめでとうございます。」 それぞれ希望の専門学校に推薦で合格し、春からは神戸と大阪に進学する。 「ん。」「サンキュ。」 「亮ちゃん、関西弁にそまるんやろ?」 「そんなん、わからへん。」 微妙な関西弁に苦笑する。 「予約は6時半にしてるから、ファミレス行こう。」と亮ちゃん先輩が言った。 ファミレスに入り、それぞれ注文すると亮ちゃん先輩が尋ねてきた。 「2人はどんな感じ?」 「どんなって、亮ちゃんに振り回されてる後輩達。」と中村君。 「正解。」と私。 少し胸がざわついた…。 「なーんだ。残念。」と亮ちゃん先輩。 「何で先に集合したのかと思ったら、これ聞くためかよ。」と真ちゃん。 「しばらく、4人集まってなかったし、俺ら来月からほとんど行かないし、ゆっくり話したかったんだよ。」 「そうだよな。俺ら卒業するんだよな。お前らのおかげて引退後楽しかったわ。」真ちゃんがしみじみと言う。 「誰かさんのお陰で後輩は振り回されっぱなしで疲れたよ。」 と中村君がこちらを向く。 「でも、楽しかったですよー。この一年はとても貴重な思い出になると思います。」 「良かった。」真ちゃんが言った。 「久々話した頃はしんどそうだったよな。空見上げてばっかりだったし。」 「話すのやたら遅かったよな。」と亮ちゃん先輩。 「お二人には助けて頂きました。感謝してます。」深々と頭を下げる。 「俺は?」と中村君。 「勉強教えて頂いて感謝してます。」とおちゃらける。 『たくさん感謝してるよ。これからも、一緒にいたいよ。』と心で呟いた。
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