真ちゃん

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放課後は毎日図書館で一通り宿題をすまし、バス停へと向かう。 真ちゃんはいない。 少し残念がってる自分に驚いた。 定位置で空を眺めようと、ほうづえをつこうとした瞬間、「ゆーりぃ、お疲れ。」と下から声がした。 下の浜辺にいたのだ。 『びっくりした~。』 「お疲れ様です…。」 「制服…砂だらけだけど。」 「ネコとじゃれてた。」 砂をはたきながら答えこちら側へと上ってくる。 隣に並ぶとフワッと海の香りがする。 バスが来る。 こんな、何気ない会話をする日々が続き、夏が来た。
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