5人が本棚に入れています
本棚に追加
《その男に何があったのか?》
周囲一面の瓦礫。
その中の一角、大量の瓦礫に下半身を挟まれて身動きを取ることが出来ない女性がこちらに向かって手を伸ばしている。
「逃げて!
逃げなさい!」
その顔にはどこか儚げで寂しげな笑顔が浮かんでいる。
「マミー!マミー!
嫌だ!マミーと一緒じゃなきゃ嫌だ!」
兵士たちに引きずられるように連れて行かれる少年。
「私は大丈夫だから。後から必ずあなたを迎えに行くから。
だから、兵隊さんの言うことを聞いていい子にしているのですよ。」
その女性の瞳には強い覚悟の光があった。
その後方から瓦礫を吹き飛ばして出現するバグズ。
「マミィィィィィィィー!」
瓦礫と化した街にこだまする少年の声。
最初のコメントを投稿しよう!