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「リディアちゃんの部屋は二階の突き当たりの左ね。右は千尋だから」
「わかった。これからお世話になります」
「娘ができたみたいで僕は嬉しいなぁ」
カナトにとって私は娘なら、私から見たカナトはパパというよりお兄ちゃんみたいだと思う。
チトセってどんな人なんだろ?
主夫ということはわかったけど、カナトみたいに優しくてお気楽な人なのかな?
………仔犬みたいで可愛いからそうだと嬉しい。
「あ、そうだ。明日から学校に千尋と一緒にいきなよ!」
「Why?」
「それはもちろん千尋と仲良くなってもらうためだよ!」
「チトセって見た目に反して意外に可愛いやつだよ」とカナトは言う。
コミュニケーション能力の乏しい私に初対面、しかも男で年上。
いったいどうすればいい。
どう接すればいいかわからないので、頭の中で試行錯誤するが、どれも却下。
そんな感じでどのくらいの時間をソファーで膝を抱えて過ぎたが知らないが、玄関の開く音がした。
カナトは仕事がどうのこうのと言って書斎に籠ったからチトセかな。
……心臓が落ち着かない。
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