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高校3年生のアキ。
4月には、県外の専門学校に進学する。
隣県で、I市からは比較的に近いM市。
でも、そう頻繁に帰って来れるような距離ではない。
私の地元とS市…同じくらいの距離だろうかだろうか。
「私は、Iソニック…アイズがラストになっちゃうのかなぁ…。」
そして、アイズの解散も控えている。
理由は、アキと同じで、メンバーの進学や就職を控えているからだ。
「アキさんが居ないと、I市来る理由無くなるしなぁ…。」
「えっ!! 彼氏さん、I市の人なんじゃないんですか?」
「彼氏なんて、ずっと居ないですよー!! あの人は、もうI市に居ないですし。」
「そうなんですか? カッコ良かったのに!!」
「…。」
すると、照明が落とされ、次の演奏が始まった。
今日は、全てヴィジュアル系のライブ。
ガールズバンドなのだが、最前列は全て埋まっている。
その頃、私はアイズ以外のバンドに興味を持っていなかった。
アキが居なくなるし、アイズも解散するなら…と、I市へ通うことを止める覚悟もしていた。
正確には、興味を持ちたくても、躊躇してしまっていたのだ。
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