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「次、最前行くよーッ♪」
そう言って、ずっとステージに背を向けていたバンギャが大声を上げた。
まだステージの上には、裏へ下がろうとするメンバーの姿がある。
だが、お構いなしに最前列の柵目掛けて駆けていった。
「ココちゃんは、次のバンド知ってる?」
「…! …えっと、少し聴いてたくらい。」
「じゃあ、ちょっと後ろで見よっかー♪」
ネネは私の手を引き、その場に立たせた。
そんなバンギャの動きなど気にしない振りをし、ガールズバンドのメンバーは全員裏へ下がっていった。
「えっ!! 最前じゃなくて良いの?」
「偶には、引いて見なきゃねッ!! いつも最前にいると、空気になっちゃうから。 少し後ろに下がって、メンバーに意識して貰うのも大事なんだよ♪」
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