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いつものように、離れた場所で演奏を聴く。
前までは、知らない曲でも「いいなぁ…」と感じれば、頭を振りに行った。
でも、今はそれが無い。
『あんまり頭振ると、仕事がね…。』
学生とは違い、お客様を相手にする社会人。
首を痛めて窓口に座るのは、避けなければいけない。
「じゃあ、こぢょさん。 またー♪」
「おやすみなさいー。 メールしますね~!!」
いつものように、アキたちと別れる。
アキたちはバス停まで走り、私はのんびりと駐車場へ向かおうとする。
「…。」
1人になった時の寂しさは、今でも変わらない。
知り合いのバンギャは増えたが、プライベートでも遊ぶバンギャは、アキたちぐらい。
アキが引っ越す前に、また遊ぼうと約束した。
だが、それから先は真っ白だ。
「…はぁ。」
せっかく着慣れた、ロリータのお洋服。
ライブやバンギャ同士で遊ぶ時でないと、着る機会がないのに。
「こぢょさんっ!!」
「…!」
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