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ヴォーカルのナビに従い、車を運転する。
あまり運転は得意ではないため、車内はほぼ無言。
そして、カラオケを出る間際、向かいのソファーに座っていたヴォーカルが、私の横に座った。
「…!」
逃げることも出来ず、ヴォーカルに手を掴まれる。
「…こぢょさん。 俺と付き合わない?」
「…。」
自信満々の表情をする、ヴォーカル。
でも…
「ご、ごめんなさい。 私、そういうのは…ちょっと。」
そう言うと、ヴォーカルは顔をくしゃくしゃっと歪ませた。
「う”ッ…。 くっ…―――」
「!!?」
ヴォーカルは、私の手を握ったまま、大号泣をし始めた。
「ヒック… うっ、ウッ…!!」
「あぁあ…あの、えっと、…えぇッ!?」
男の人に、こんな風に泣かれたのは初めてだった。
どうすることも出来ず、慌てふためく。
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