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その後も、ヴォーカルは泣き止まず、部屋を後にした。
ファミレスで奢って貰った為、カラオケの会計は私が済ませる。
車の中でも、ヴォーカルは延々と泣き続け、来た時よりも気まずい空間。
嗚咽交じりのナビの下、ヴォーカルを自宅まで送り届けた。
…そして、時期も悪かった。
クリスマスの翌月にあった、成人式。
その時に、アイズのヴォーカルを含めたバンドマンの登録を、アドレス帳から削除した。
連絡先を削除したことにより、ヴォーカルとはそれっきり。
ギクシャクしたまま、ライブを迎えてしまった。
案の定、いつもの煽りも私には向けられず、避けられていると分かった。
周りのバンギャも、何かあったのでは…と、噂を立てる。
アキたちにも、嫌な思いをさせてしまったかもしれない。
「…。」
もちろん、私の答えは決まっている。
でも、ツバサにも同じ態度を取られては、あと一度とは言え、ライブに来辛くなってしまう。
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