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「…ごめんなさい。」
逆に考えれば、あと一度の辛抱で済む。
もう、終わりだな。
私も、I市に通うことが無くなるんだ。
そこまで思った。
でも、ツバサは、ヴォーカルと違う反応を見せた。
「俺が、年下だからですか?」
「…。」
確かに、それもある。
20歳の私に対し、相手は16歳。
逆なら、それほど抵抗は無かったかもしれない。
だが、全く大人っぽくない私。
きっと、ツバサの「お姉さん像」を壊してしまうだろう。
弟よりも年下なツバサに、どう対処して良いか分からない。
「俺、そんなの気にしないですけど。」
強いて言えば、車を持ってて、運転が出来て、社会人で収入があって…
そんなところが、彼らには魅力的なのだろう。
一向に引かないツバサに、厳しい一言を告げる。
「…私、未成年でタバコ吸ってる人とか、ダメなんです。」
喫煙していることを、格好良く思っている未成年が多い。
しかし、法を犯している姿のどこが良いのだろう。
恐らく、この考え方は、あの人の受け売り。
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