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一眠りした後、熱がそれなりに下がったらしく、無理やりに上体を起こすと、嬉しい違和感を覚えた。
四年使ってきたベッド、その隣に少し離れてローテーブル……その上に蓋をした丼と添えられた箸、それから――メモ用紙をちぎったような、恐らくは書置き。
懐かしい感覚。開いていないのに、触れてさえいないのに、誰が書いて、どんな気持ちで書いたのか、解ってしまうような。優しい感覚。
“夜にまた来ます。何かあったら連絡ください”と二つ折りされた紙片の上半分に、下半分には電話番号とメールアドレスが書いてあって、最後に……彼の、名前があった。
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