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書置きにあったように、彼は日が暮れてから大きなレジ袋を二つ提げてやってきた。
当たり前のようだけれど、久しぶりに会った彼は四年前とは随分と変わっていた。高校を卒業してからも身長は伸びたらしく、私の額が彼の顎のあたりになってしまった。スーツを着ていてわかりにくいけれど、少し痩せたように見えるし、顔にも疲労が浮かんでいた。
出迎えたにもかかわらず、ローテーブルを挟んで向き合って座っても、しばらく無言だった。お互いにテーブルへと視線を落とし、でも、一人きりの無言と違って、互いの思いを探り合う無言が――嬉しい。
皮切りは私の「ありがとう」というお礼だった。少し驚いたような顔をした彼は、ぎこちなく笑ってくれた。
しばらく話し込んだ私達は、彼を玄関で見送り(「明日も来る」と言い張る彼を説得するのには骨が折れた)、私はまた、一人になった。
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