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とあるアパートの一室。
カタカタとキーボードを叩く音が響く。
「これでどうかな……っと」
軽くエンターキーを叩く。
鈍い起動音をたてて『彼女』がゆっくりと立ち上がった。
「Front Line製、悪魔型ストラーフMk.2、セットアップ完了、起動します」
「よっし、起動した」
未だ目を閉じたままの少女が続けて口を開く。
「オーナーの名前と呼び方を設定して下さい」
「俺は天海 大地。呼び方は……マスターで」
「オーナー名、天海 大地。呼び方はマスターで宜しいですか?」
「あぁ、オーケーだ」
少女が目を開き、大地と名乗った男を見上げる。
「……君が私のマスターか?」
「他に居ると思うか?」
「まぁ、確かに居ないな。……これからよろしく頼む、マスター」
「あぁ、こちらこそ」
15cmの少女が再び男に問いかける。
「ところで、あたしの名前は決まっているのか?」
「あぁ、勿論」
一呼吸おいて男は言った。
「お前の名前は……」
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