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「武装神姫ぃ?」
俺はついさっき購買で買ったヤキソバパンをかじりながら反応する。
「おうよ!この地域は今、武装神姫の波が来てる!」
そう熱弁をふるっているのは俺の友人の一人である東轟 陽輔(とうごう ようすけ)である。
「だからお前も買ってくれ!」
「だが断る」
「即答!?」
「そう来ると思ったからな」
「むむむ……」
何がむむむだ何が。
「んーじゃあ犬飼でも良いから一緒にやろうぜ?」
「え、私?」
先程から学食でもらったカツ丼をもりもり食べていた女子が陽輔の方を向く。彼女の名前は犬飼 友華(いぬかい ゆうか)という。
俺達三人は高1からの付き合いで、暇な時は街をぶらつく仲だ。
「んー私は無理かな?金銭的に」
「ぐっ……」
「つーかどうせ一人で神姫を買いにいくのが恥ずかしいとかそんな理由で俺たちを誘ってんだろ?」
「ぬふぅ……!?」
陽輔、三度撃沈。
「……じゃあせめてゲーセンでバトル観戦を……」
「まぁゲーセンに行くぐらいは良いけど……」
「でもそれっていつもと同じじゃない?」
「……まぁ、粘り強く頑張るつもりだ」
「そーですか……」
まったく諦めない友人を横目に俺はカレーパンの袋を開けた。
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