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「よし。ギリ見える……!」
「ギャラリー多いな。本当に野試合か?」
「うぅ……見えない」
人の壁に阻まれ背の低い犬飼は涙目になっていた。
「場所変えるか?それともおぶってやろうか?」
「い、いいよ……。あ、ありがとうございます」
壁になっていた男性が場所を譲ってくれた。
俺も対戦台へと顔を向ける。バーチャルの仮想空間ではすでに二体の神姫が戦っていた。一体は白い神姫、もう一体は赤い神姫だ。
「……なんかかなり一方的じゃないか?」
「アーンヴァル型は上空からの砲撃が得意だからな、地上の高速移動がうりのアーク型じゃちょっときついかもな」
白い神姫ことアーンヴァル型は未だ上空からの一方的な砲撃を続ける。
赤い神姫ことアーク型は砲撃に当たりはしないが、どんどん逃げ道を削られていた。
「だがよ……」
「ん?」
陽輔が呟く。
「こういうのは、油断したら最後だぜ?」
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