お前の名前は

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陽輔がそう言った直後、アーンヴァル型の砲撃が止む。弾切れだろうか。 砲撃が止むと同時にアーク型は巨大な銃を取り出し、引き金を引いた。 「そら来た……!」 銃弾はアーンヴァル型のリアパーツを正確に撃ち抜き大破させる。 撃ち落とされたアーンヴァル型は重力に引かれ、地面に激突する。 「お!トライクモード!」 「形が変わった?」 「マジか……」 先程アーク型がいた所には流線形の三輪駆動車ような物体があった。アーク型のパーツは組み替えることであの様な形になる様だ。そのままアーンヴァル型へ突進。 「かーらーのー」 陽輔がそう呟いた直後…… ドシャアァ…… 「……えー」 轢いた。 地面に叩きつけられ、無防備なアーンヴァル型を容赦なく轢き倒した。 横を見ると犬飼が唖然としていた。恐らく俺も同じ顔をしているんだろう。 アーク型は再び変形し、人形に戻る。地面を蹴り、同時に吹き飛んだアーンヴァル型を掴み地面に叩き落とした。 しばらくして、試合終了のブザーがなった。アーク型の勝ちだ。 「どうだ?カッコいいだろ!」 半ば放心状態だった俺たちとは違い、陽輔はかなり興奮している様子だった。 「カッコいいとか以前に最後の方のアレは何なんだ……」 「最後の方のアレってーとロードファイターの事か?」 「ロードファイター?」 「アーク型の必殺技みたいなもんだ。まぁ見た目はアレだが……その代わり威力は抜群。まさに必殺技だな」 「アレが必殺技ねぇ……」 「どうだ?興味出たか?」 アレを見せた上で聞くか……。 だが少なくとも見ている分には面白かった。一瞬の油断で勝負が決まるのは格闘ゲームに似たものがある。 「……興味は無いことは無いが、買うまではいかんな」 「ぬぬ……じ、じゃあ明日ここで大会があるからそれ見にまた来ようぜ!な!」 「だー、うっせぇ、わかったよ」 「私は明日用事があるから行けたら行くね」 「おう、わかった」 そんなこんなで今日は解散になった。
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