21人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
陽輔がそう言った直後、アーンヴァル型の砲撃が止む。弾切れだろうか。
砲撃が止むと同時にアーク型は巨大な銃を取り出し、引き金を引いた。
「そら来た……!」
銃弾はアーンヴァル型のリアパーツを正確に撃ち抜き大破させる。
撃ち落とされたアーンヴァル型は重力に引かれ、地面に激突する。
「お!トライクモード!」
「形が変わった?」
「マジか……」
先程アーク型がいた所には流線形の三輪駆動車ような物体があった。アーク型のパーツは組み替えることであの様な形になる様だ。そのままアーンヴァル型へ突進。
「かーらーのー」
陽輔がそう呟いた直後……
ドシャアァ……
「……えー」
轢いた。
地面に叩きつけられ、無防備なアーンヴァル型を容赦なく轢き倒した。
横を見ると犬飼が唖然としていた。恐らく俺も同じ顔をしているんだろう。
アーク型は再び変形し、人形に戻る。地面を蹴り、同時に吹き飛んだアーンヴァル型を掴み地面に叩き落とした。
しばらくして、試合終了のブザーがなった。アーク型の勝ちだ。
「どうだ?カッコいいだろ!」
半ば放心状態だった俺たちとは違い、陽輔はかなり興奮している様子だった。
「カッコいいとか以前に最後の方のアレは何なんだ……」
「最後の方のアレってーとロードファイターの事か?」
「ロードファイター?」
「アーク型の必殺技みたいなもんだ。まぁ見た目はアレだが……その代わり威力は抜群。まさに必殺技だな」
「アレが必殺技ねぇ……」
「どうだ?興味出たか?」
アレを見せた上で聞くか……。
だが少なくとも見ている分には面白かった。一瞬の油断で勝負が決まるのは格闘ゲームに似たものがある。
「……興味は無いことは無いが、買うまではいかんな」
「ぬぬ……じ、じゃあ明日ここで大会があるからそれ見にまた来ようぜ!な!」
「だー、うっせぇ、わかったよ」
「私は明日用事があるから行けたら行くね」
「おう、わかった」
そんなこんなで今日は解散になった。
最初のコメントを投稿しよう!