お前の名前は

8/11

21人が本棚に入れています
本棚に追加
/73ページ
次の日、俺は凄まじく暇だった。 「やっぱり用事が長引きそうだから行けなくなった……ごめんね?」 まぁ犬飼は良い。 事前に行けないかもと言っていたし。 「あー、なんだ、悪い、家の手伝いで行けなくなった。マジすまん」 言い出しっぺがこの有り様である。 流石に呆れた。同時に俺の予定も真っ白になってしまった。 あんまりにも暇だったので家中の家電を全部メンテしてやった。 機械いじりは昔から好きなのでメンテはそれほど苦にならない。それに家の家電はほとんどジャンク品を自分で修理して使っている。一度直せればバラすのは簡単だ。 「うし、これで全部かなっと」 全て異常無し。辺りのドライバーやレンチを工具箱にしまう。 時計を見るとまだ四時を回ったところだった。 「さて……何しようかねぇ……」 夕食の買い出しに行くには少し、というよりかなり早い気がする。 「……ゲーセン行くかぁ」 暇な時はゲーセンに行ってみる。 十七年間で得た俺の数少ない持論の一つだ。
/73ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加