~1章~ 不幸の獅子と最強の乙女

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「だから何がー?」 しつこい奴は無視してとっとと帰ろう、うん。 「あっ!」 突然浅葱が立ち止まった。 「今度は何だ……………ん?」 俺は一応、浅葱が見ている方を見てみる。 「…あ~……」 そこにはいかにもひ弱そうな眼鏡が、一昔前位の装いのチンピラに絡まれている姿があった。 「あれって…」 浅葱の目が少し活気付いた気がした。 これは面倒な事になりそうだ…… 「うん、違うぞ浅葱?あれは…そう、仲の宜しい人達がたむろしているんだ。決してカツアゲとかそう言うのじゃないぞ?」 浅葱の気をそらそうとするが、奴らが「オラ、金出せよ!」「だ、だから持ってないですってば…」とか言い出しやがった。 俺はチンピラを睨む。 (やめろおおぉ!!これ以上面倒ごとを増やすなああぁ!!!おい待て、なに殴ろうとしてんだ?んなことしたら………) 最後まで続かない内に、チンピラは眼鏡を殴り飛ばしていた。 その直後、俺の横を一陣の風が通り過ぎた。俺が気づく頃には、浅葱がチンピラを一人蹴り飛ばしていた。
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