心優しき番犬

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この世には『働かざる者食うべからず』という全くうざったい言葉がある。 高校を中退して早2ヶ月。 毎日ダラダラと過ごしてる俺に痺れを切らしたお袋が、俺の部屋のドアに『働かざる者食うべからず』と、デカデカ書いた紙を張り付けてた。 その日から朝飯も、昼飯も、晩飯も家で俺の分だけがなかった。 三食毎日カップラーメン。 それを見かねた妹が、「お兄ちゃんそろそろバイトでも探したら?そんなプー太郎なお兄ちゃんがいると私恥ずかしくて外にも出られないじゃない」だそうだ。 この言葉はメンタル的にキツかった… が、その一言によって俺のやる気スイッチが入り、バイト探しを始める。 ところが…… 「うーん…君接客業初めてなんでしょ?経験者がほしいんだよねー。てな訳で不採用!!」 一軒目、ファミレス不採用 「あん?良くいるんだよなー。とび職なら誰でもできると思って来るガキが。俺そんなガキが大っ嫌いなんだよ。散れ!!」 二軒目、とび職不採用 「キミ目付き悪いからお客さんが来ないと思うんだよねー」 三軒目、コンビニ不採用 …………………泣いていい?
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