心優しき番犬

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てな訳で今日もバイトの面接で不採用になり、現在一人でトボトボと帰宅中。 あー…カラスの鳴く声が虚しい…虚しすぎる… 俺もカラス見たくごみ箱を漁って生きていくのか? 「はぁー…」 今日何度目のため息だろう… 俯きながら歩いていたその時だった。 「誰かー!!その男捕まえてー!!!ひったくりよー!!」 前から女性の叫び声がした。 ふと前を見ると、鞄を抱き抱えながら全身黒ずくめでマスクをした、いかにも不審者ですよーってな感じの人が猛ダッシュで走ってきた。 「捕まえてー!!!」 ひったくりか… よくもまぁこんな街中で… しかも俺の目の前で… 御愁傷様。 「おいおい、アンタ。こんな事してもどうせ捕まんだから早めにその鞄返してトンズラしちまいな」 走り迫ってくる男にそう言い放つ。 「どけぇー!!」 「だいたいよぉー……おぶっ!!」 俺が喋ってると腹にものすごい衝撃がきた。 その衝撃の正体は男がタックルしてきたものだとわかるのにそう時間はかからなかった。 俺は道端に倒れ、男はそのまま走り去っていく。
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