終章 其の三

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   極点の結界内に、一同が集まった。  折原 洋輔。  九条 神奈。  敷島 篤史。  三浦 杏奈。  次郎丸。  雲外鏡。  猫又。  ただし猫又は眠ったままであり、雲外鏡は意識をこの地に留めていなかった。  更に鬼の里の面々は、未だに小屋の外にあって。武具工房の建築に勤しみ、休む事無く作業を続けている。  工房の完成は、そう遠くない先だろう。  小屋の中では、人間が四人と妖が一体で顔を付き合わせ、今回の戦いについて報告し合っていた。  それぞれに、知らない事実が多いのだ。  杏奈と篤史が、妖界に来た理由。  杏奈の手当てについて。  武具工房の建築に関わる事。  猫又の能力について。  洋輔が受けただけでも、それだけの情報があった。 「しかし、話しに聞いてたけど実際にこの場に来て現実を見てみると、折原はとんでも無い事になってたんだな」 「とんでも無い事って言葉で片付けるのは、少しばかり乱暴だと思うけどな」 「んっ、そんなもんか?」 「あぁ、そんなもんだよ」
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