終章 其の三

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   最後は、そんなたわいもない話しになった。  洋輔にしてみれば、杏奈や篤史をこの件に巻き込みたくなど無かった。その事で、神奈を責める事も出来るのであろう。だがこうなってしまっては、責めたとて何の解決にもならない。  それに、篤史がここで武具を作れる事は、洋輔に取ってもプラスに働く事実である。  更には、気になる事もあった。  杏奈の手当て。  幼馴染みの杏奈が、そのような事が出来るなど夢にも思わなかった。  それが、妖界と関係するのだろうか。  それとも、別の何かがあるのか。  今回の件だけでも、謎がかなり追加されてしまった。これまでの謎も、何一つと言っていい程に解決していない。  この状況では、二人をこの事から遠ざけるのは得策とは言えないだろう。 「俺、工房がどうなったか見てくるわ」 「あぁ、敷島。結界の外には出るなよ」 「分かってるって」  篤史は、次郎丸を伴い小屋を出た。  杏奈はと言うと、手当てによって体力を使ってしまったらしい。いつの間にか、猫又の傍らで眠っていた。
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