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一行はうどん屋に入ろうとしたが、忍達が、
「私どもは、遠慮させて頂きまする。」
景竜は、
「何故?」
「我々は職柄上あまりそのような場所で食事はとりませぬ。しかし若殿様の身が心配なので、我々の中でも一番実力がある、金之助殿をおいていきます。」
金之助は、
「若殿様。私めがついておりますので安心してうどんをご堪能くださいませ。」
景竜は頷き、
「わかった。金之助。よろしく頼むよ。」
「はっ。」
金之助を除く忍は金次郎と同じ様に一瞬で消えてしまった。
結局残ったのは景竜、実乃、実乃の側近、金之助だけになってしまった。
景竜らは、うどん屋に入る。
景竜や実乃は始めは鎧を着ていたが、城下町にいく事になったため、何処でも扉を開ける前に以前初めて戦国時代にやってきた時に使った、ファッション創造機器にて町民らしい格好になっていた。
そのため、他の皆から不審な目は向けられなかった。
「お客さん五人ですかね。」
店の人が尋ねてくる。
「そうだ。」
実乃が応える。
「こちらに座って下せぇ。」
店の人に案内された場所に五人は座る。
そして皆、うどんを頼んだ。
うどんを待っていると、隣の席の武士らしい二人の会話が聞こえてきた。
「あの越後が攻めてくるらしいぜ。」
「らしいな。しかし、なんとたったの二十人ぐらいで攻めてくるらしいぞ。」
「しかもその頭は越後の龍じゃなくてその養子になったばかりの若僧だとか。」
「まったく舐められたものよ。」
二人は大声で笑っていた。
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