決戦

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「これでよしっ。」 景竜は朝早く起きて元服式のための衣装を着たりと、身繕いをした。 「荷物も大丈夫だな。」 今日から栃尾城で生活することになる。 そのために景竜は荷物もまとめていた。 といっても、あまり荷物はなかったが。 「あとは迎えを待つか…。」 それから数分後、馬の歩く音が徐々に聞こえてきた。 そして、すぐにその音は大きくなった。 「景竜様。いらっしゃいますでしょうか。お迎えに上がりました。」 景竜は呼ばれたので家からでる。 「世話になったな。」 部屋でそう、一言つぶやいた後に。 「迎えありがとう。」 景竜は大勢の兵に労いの声をかける。 雪が積もっていたので、恐らくこれだけの人数が迎えに来たのは大変だっただろうと思ったからだ。 不幸中の幸いか天気はすごく良かったが。 「良い天気だな。」 景竜はそう呟く。 家来は微笑み、 「神様も今日という日をお喜びになっているのでしょう。」 景竜も微笑み、 「ありがたいな。」 そして、 「そろそろ行こう。」 家来は頷き、合図をする。 合図をみた、別の家来が景竜が乗るための籠を持ってくる。 「どうぞ。」 景竜は家来に乗らしてもらう。 「すげえ。」 籠の中もたいそう立派で、景竜は思わずそう呟いてしまう。 景竜が乗ったのが確認されると100人程の大行進が始まる。 目指すは、景竜が治めることになる栃尾城だ。
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