916人が本棚に入れています
本棚に追加
景竜はとても緊張していた。
元々戦国時代が好きだったとはいえ、まさか自分が戦国時代にて元服式をあげ、さらには城主になるとは夢にも思っていなかったのだ。
「御館様がいらっしゃいました。」
数分後に景虎や長尾家家臣団、他招かれた者達がやってくる。
そこには銀次郎や金次郎もいた。
全員が着席し、
「今から多賀竜也殿の元服式、及び長尾家養子着任の儀を行います。」
家臣の柿崎景家が進行役を務めることになっていた。
柿崎は、
「御館様。よろしくお願い致します。」
一段高いところに座っていた景虎は頷き、柿崎から烏帽子を受け取る。
そして景虎は立ち上がり近くに座っていた景竜の頭にのせる。
景竜は烏帽子をかぶせてもらうと一礼する。
景虎は元の位置に戻ると堂々と宣言する。
「これより、この者の名を正式に長尾景竜と致す。そして、長尾家養子となるにあたり、長尾家の者であることの象徴である長尾家家紋を与える。」
景虎の合図と共に、柿崎は長尾家の家紋が縫われている美しい布を景竜に渡す。
景虎は、
「これでお主は正式に元服し、同時に長尾家の者になった。これからはいっそう長尾家繁栄のために力を尽くせ。」
景竜は大きな声で、
「はっ。」
と応えた。
最初のコメントを投稿しよう!