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銀次郎と景竜の話し合いは、二時間程も続いていた。
金次郎についての話もそうだが、本命である北条討伐についての策略についても話し合っていたからだ。
「北条氏康は恐らく、小田原城にて籠城策をとるでしょう。」
「なぜ。」
銀次郎は地図を見ながら説明する。
「北条の城は確かにこの地図の通りであまた存在します。しかし、北条は馬鹿ではない。我々の目的が北条氏康の首ただ一つということを見抜いているでしょう。」
景竜は首を捻る。
「なんでわかるんだ。」
銀次郎は、
「少数しか越後勢は動けない。つまり、あまり沢山の戦はできない。そしたら、直接北条の居城、小田原城を攻めてくる。そう考えていると思ったからです。しかも小田原城は強固な城であると有名です。簡単には落とされないという自信もあるのでしょうね。」
景竜は、
「籠城なら籠城でいいだろう。景虎様もそのように仰っていた通り、逆に攻めやすいからな。」
銀次郎は頷く。
「沢山の城を落とすより、一つの城を落とすのが目的の方が我らには都合がいいですからね。」
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