決戦

15/48
前へ
/338ページ
次へ
鉱山は微笑み、 「ありがとう。」 すると、鉱山と銀次郎が会っていた部屋に美しい女性が現れる。 「銀次郎。久しぶりですね。元気にしていましたか。」 「母上!!お陰様で良き日々を過ごしております。」 そう、この美しい女性は銀次郎達の母である。 鉱山もこの母も端正な顔立ちなため、金次郎、銀次郎、銅次郎、皆他に一目おかれる様な美男だった。 実は、銀次郎らの一族の頭首は代々顔立ちが良いものが揃っていた。 顔立ちが良いと、主に女性だが、好印象を抱かせることができ、任務に少し役立つという。 「母上もお元気でしたか。」 「ええ。最近は越後では内乱が無くなり住みやすい土地になったので、私も安心して暮らせているからか、すごく体調が良いんです。景虎様に感謝しなくちゃいけませんね。」 「そうですか。それは何よりです。景虎様は本当に偉大な方でいらっしゃる…。」 すると、母は急に表情を変え心配そうに、 「銀次郎。蜜姫様とは上手くやれていますか。」 銀次郎は時々近況を両親に文で送っていたが、直接会っておみつの話をしたことはなかった。 銀次郎は、 「はい。すごく幸せな毎日を送らせていただけております。」 すると母は安心した表情をみせ、 「良かったです。蜜姫様を大切にしなさいよ。」 銀次郎は力強く頷き、 「勿論でごさいます。」 その後も久しぶりの再開に会話の話を咲かせた。 しかし、明日から北条戦を控えているのもあり、 「私めは明日からの事がありますので、帰らせていただきます。」 鉱山は、 「ああ、久しぶりにそなたと話せて良かった。」 母も、 「また、会いにきてくださいね。」 銀次郎は頷き、 「はい、必ず。」 そして銀次郎は自分の家へ帰って行った。
/338ページ

最初のコメントを投稿しよう!

916人が本棚に入れています
本棚に追加