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すると銀次郎が、
「恐れながら、この扉で一気に氏康の部屋に行けば良いのではありませんか。」
景竜は首をふり、
「それができれば、とっくにそうしてるさ。この扉はな。プライバシーの保護のため家には入れないんだよ。」
皆、目をパチクリさせ、
「ぷらいばしーで御座いますか。」
景竜は慌てて、
「いやそのーあれだ。そんなことが出来たら盗人が増えちまうだろ。」
今度は皆納得したようで、
「成る程。」
景竜は、
「城下町の何処ら辺に着くかは分からない。正直、俺らに不利な場所に着いちまう危険がある。」
すると金次郎が、
「この人数で城攻めをしようとしている時点で危険な話じゃろ。今更危険を気にしてどうするんじゃ。のう、皆。」
皆も頷く。
景竜は、
「よし、なら決まりだな。」
そして扉に向かって、
「扉よ。小田原城城下町へ。」
何処でも扉ががしゃんと鳴る。
「皆、覚悟は出来てるか。」
「はいっ!」
「よし行くぞ!!」
景竜は勢いよく扉を開けた。
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