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扉を開けるとそこは賑やかな所だった。
恐らく、上手く城下町に繋がったのだろう。
皆は人にばれないよう上手く扉から城下町へと入る。
景竜はホッと一安心して、
「なんとか上手くいったみたいだな。」
銀次郎は、
「左様で御座いますね。若殿様、私は一先ず寝床を探してまいります。」
景竜は、
「おう、ありがとうな。頼んだぞ。」
「はいっ。」
そして銀次郎は寝床探しのために景竜らとは別行動になった。
景竜は、
「とりあえず、町の様子を見るためにも歩くか。」
景竜がそう提案したが金次郎は、
「すまんのう。若殿さん。わしは少々ここで顔が売れちまっとるから、隠れさせてもらいますのう。」
景竜は、
「ああ。その方がいいな。」
金次郎は、
「ではお言葉に甘えて。」
金次郎は一瞬で姿を消してしまった。
銀次郎、金次郎とは別行動になったが、景竜らは町を散策し始める。
「結構賑わってるな。」
実乃は、
「氏康は、政治もある程度上手くやる武将と聞いております。」
「成る程な。」
城下町に着いたのは朝早くであったのに、これだけ賑やかであるのは氏康の力量を伺わせる。
正直、春日山城城下町よりすごい印象を受けていた。
「腹減ったな。」
景竜のその言葉を聞き、実乃は、
「あそこの店に入りませんか。」
実乃が指さした店はうどん屋の様だった。
景竜は、
「そうだな。少し休憩も兼ねての食事としようか。」
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