出会い

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景虎は笑い出す。 「こやつめは間違いなく、間者ではないだろう。あまりに城になれておらん。」 「はっはあ……。」 あまり家来は納得してない様子だが黙ってしまった。 「お主は町民か。面白い道具を沢山持っているようだが、商人か。」 「はい。そうっす。えーまあ自分の家の店はちょっと前に閉めて、一応旅してたんっす。」 なんとなく話を合わせてみる。 竜也は我ながら上手い嘘だと思った。 「齢は? 」 「十五っす。」 「元服してるのか。」 「いや、まだっす。」 戦国時代が好きだったのが幸をそうし、なんの違和感もなく竜也は返答していく。 「最後になったが……お主の名は? 」 「多賀竜也と申します。」 「竜也か……。珍しい名だな。それとそうだな。お主は武士として使うつもりだが構わぬか? 」 竜也は驚いてしまった。 「俺が武士っすか!? 」 景虎は淡い笑みを浮かべる。 「お主はまだ十五だが、その面白き道具を用いれば間違いなく良い活躍をするだろう。 お主の手柄次第では家臣として取り立ててやってもよい。 そして、お主のために元服もさせてやろう。」
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