第一次川中島合戦

9/32
前へ
/338ページ
次へ
「景虎様。私めは貴方様に昔からお使い申し上げておりますが、今回の件についてはどうしても貴方様のお考えがわかりませぬ。」 家臣は竜也を軍師にしたことについて、景虎の考えを聞こうとしていた。 「何度も申しているだろう。竜也には何か特別な力を感じる。私の目に狂いがあると思っているのか。」 家臣はどうしても不安がぬぐえない。 「しかし……。」 「そこまで言うなら今日竜也を呼んでやろう。そしてお主らの前で、面白い芸を見せるように命じよう。」 家臣たちは顔を見合わす。 「殿。芸など……、武田は強敵なのですよ。」 景虎はだんだん機嫌が悪くなってきたようで、怒声混じりに、 「銀次郎を呼べ。」 と側近に命じた。 この日は、竜也が銀次郎から様々な事を学び始めてから5日目で、竜也への指導は1日休みになっていた。 命じて程なくして、 「銀次郎参りました。」 すぐに銀次郎は景虎のいる部屋に参上した。
/338ページ

最初のコメントを投稿しよう!

916人が本棚に入れています
本棚に追加