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「景虎様。私めは貴方様に昔からお使い申し上げておりますが、今回の件についてはどうしても貴方様のお考えがわかりませぬ。」
家臣は竜也を軍師にしたことについて、景虎の考えを聞こうとしていた。
「何度も申しているだろう。竜也には何か特別な力を感じる。私の目に狂いがあると思っているのか。」
家臣はどうしても不安がぬぐえない。
「しかし……。」
「そこまで言うなら今日竜也を呼んでやろう。そしてお主らの前で、面白い芸を見せるように命じよう。」
家臣たちは顔を見合わす。
「殿。芸など……、武田は強敵なのですよ。」
景虎はだんだん機嫌が悪くなってきたようで、怒声混じりに、
「銀次郎を呼べ。」
と側近に命じた。
この日は、竜也が銀次郎から様々な事を学び始めてから5日目で、竜也への指導は1日休みになっていた。
命じて程なくして、
「銀次郎参りました。」
すぐに銀次郎は景虎のいる部屋に参上した。
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