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ドンドンドン
家来がこの部屋に向かって全速力で駆けてきた。
竜也達は、芸の後にたわいもない雑談に花を咲かせていたが、
「景虎様。ご報告があります。」
扉の外から声がする。
「入れ。」
家来が入ってくる。
「ただいま、武田が動き出したとの連絡が入りました。武田は着々と軍を進めているとのことです。そして再び村上義清様がいらっしゃいました。」
場の空気が一瞬でピリピリしたものになる。
村上義清は一度越後に来た後、とりあえず景虎から5000の兵を預かり、武田から自分の領地を取り戻すために戦っていた。
そしてなんとか義清は自分の領地を取り返したのだが、勢いを盛り返した武田方が再び義清の領地を攻め立ててきて、そのまま義清の領地を手に入れたということだった。
「武田め……。」
景虎は怒りを露にする。
そして立ち上がり、
「戦だ!もう武田を好き勝手にさせてはならぬ。急いで支度せい!」
「はっ!」
家臣達は急いで支度に向かっていった。
竜也も退室して準備に家に向かおうとすると、
「お主の働き期待しておるぞ。」
景虎から一言声をかけられた。
「はいっ!」
力強く返事をして竜也は帰っていった。
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