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名もない山中に、一泊したのち、布施に到着する。
布施には武田軍が陣をはっている。
長尾軍が到着したが、武田軍は動じていない様子だ。
恐らく、景虎が布施に向かっていることは筒抜けだったのだろう。
どちらかが動き出したら戦が始まる。そんなピリピリした空気に陣中は染まっていた。
「殿。作戦はいかがしましょう。」
景虎は強気だった。
「こちらから攻めるつもりだ。まずは、大砲隊で武田軍を威嚇する。さすれば武田は得意な騎馬隊をこちらに仕向けてくると思う。それを銃とやらでうちのめすのだ。武田軍は仕方なく騎馬を諦め刀で切り込んでくるだろうが、我らもそれに応戦できるだけの兵はいる。」
家臣は
「ずいぶん、竜也の武器を買っていらっしゃるようだ。しかし、殿はその効果を直接ご覧になったことはないはず……。なぜこのような策略に出るのでしょうか。」
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