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景虎は立派な鎧兜をまとった武将を見つける。
恐らく、
「晴信!!」
景虎は叫ぶ。
晴信は、
「景虎か!!」
同じく叫びを上げる。
周りは敵味方入り乱れ、誰も二人の戦いには参入できない。本当に一騎討ちだった。
「覚悟!」
景虎が晴信に向かって馬を走らせ、刀を振りかざす。
カキーン
晴信はそれを防ぐ。
防がれた景虎は再び馬を走らせ間を取る。
今度は晴信から馬を走らせてきた。
晴信が刀を上げるほんの一瞬の隙を景虎は見逃さなかった。
景虎の刀は晴信の脇に刺さっていた。
「おのれ……」
痛みに顔を歪ませた晴信は落馬してしまう。
「晴信様!」
近くにいた家来が近寄って来ようとするが、長尾軍が邪魔をして近づけない。
「さらばだ。」
景虎は晴信の首を落とした。
そして、
「長尾景虎!武田の頭、武田晴信の首を頂戴した!」
と大声で叫んだ。
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