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ウィ―――――ン
クレーンはゆっくりサルへと向かって動き出す。
ボタンを押すだけなのに何故か力が入る。
あれ、何だ……この感覚……。
今、フッと体が宙に浮くような感覚。そして自然と体から無駄な力が抜けていき、意識の全てが指からボタンへ、ボタンからクレーンと流れていく感じ……。
まるで俺はクレーンに乗っかってサルを見下ろしているかの様な一体感。
そうか!?
これがゾーンという奴なのか!?
俺は今、このサルがクレーンに捕まり持ち上げられる未来が想像できている!!
そうだ!!
この調子だ!!
これならいける!!
俺はサルを取れる!!
そしてクレーンがサルの頭上に到達した時、俺はボタンからゆっくりと手を離した。
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