1球目ークソ暇いー

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「「たっだいま~!」」 リビングで寛いでいるのは父である誠(まこと)。どことなく威厳がありそうな雰囲気だが意外とキャラはボケ。それを忠実に受け継いだのが兄貴というワケだ。 「おう、お帰り時雄、真希。また公園で1on1か?」 「うん!聞いてよ、兄ちゃんってば、卑怯ばっかして勝つんだよ!恥ずかしくないのかな?」 「おい。ガセネタを流すな。」 真希はまだ悔しいのか舌を出すと自室へと走って行った。 「母さんは?」 「今日はバレーの実況に呼ばれてるらしい。遅くなるって。」 「ふーん。」 因みに今母さんはバレーの実況を主な職業とし、父さんは球団専属の野球専門店をしている。 家の仕事部屋で作ったグラブとかを球団に直送するのが父さんの仕事なので基本的に家にいる。 前述にもあったが、父さんは元プロ野球選手。母さんは今も実況で引っ張りだこと、家はかなり裕福な家庭だと思う。憎まないで下さい。 食事を済ませると、テレビを見ながら寛いでいた。 「時雄。ちょっといいか?」 お笑い番組を見てると、父さんが話しかけて来た。何やら表情が真剣だ。 「え、何?」 重要な話と判断し、俺はテレビを消す。 「それがだな…」 まさか店が潰れたなんて言わねーよな? 「ちょっと、キャバクラ行ってもいい…」 「サッサと行って来い。そして二度と帰って来るな。」
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