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あの日から
雨が降った。
悲しい雨が降った。
少女は未だに帰って来ない少年を待っている。
少年は未だに帰れない少女の元へ帰って来れる様に、願う。
そして、少女は考えた。
「あの子の処へ行こう」
少年の居場所は、軍事研究病院。
少年は実験体として選ばれた。数百人の子供達のうち、6人と少年だけが残った。
「実験No.83――…。こちらへ」
少年は実験台に寝転び、手錠が掛けられた。
「最後の要だ、伊達政宗くん。我々に希望と夢をもたらしてくれ」
「…っ、離せ!離せよっ…!」
「…、始めろ」
「うあぁああ″あぁぁ″ぁあぁっ…!」
それでも雨は止まない、悲しい雨は止まない。
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