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「お前は本当熱心だよなあ…メンバー揃う前から練習とか…それが向上心のあるやつにとっては普通なんだろうけど…そこだけは皆に見習ってほしいよ。」
そう…熱心なことはいいことだ。
それ以外はまあ…。
逆に他を見習えと言いたい。
「そこだけはって酷くないっすか!?そこだけはって!!」
きゃんきゃん噛みつかんばかりに吠える犬のような声に右耳を塞ぎながら
空いたてで宮本を制す。
「ああもううるさい!きゃんきゃん喚くな!!お前は元気が有り余りすぎてんだよ!!」
だからしばらく大人しくしてろ!
その言葉が喉まで出かかったがそれは心に留めておいた。
「あ!昔からよく言われるっす!先輩からも言ってもらえるなんて俺嬉しいっす!」
特有のきらきらスマイルで感激している宮本にズバリ思ったことを率直にぶつけた。
「多分それは皆呆れて言ってるんじゃないか……?」
「え?なんすか?」
昨日送ってきた新しいボールの入っている箱を見つめていた宮本は俺の率直な意見をスルーしやがった。
「お前は都合の悪いことは聞こえない耳をしてるのかっ!!」
「…そんなはずないっす…」
さすがに怒鳴ると真顔で否定された。
「そう真剣に返されても困るんだが…とりあえず走ってこい。しっしっ」
張り合いがないと怒鳴ったことが馬鹿馬鹿しく思える…。
やはりこいつには説明や説教の意味がない…とりあえず早く練習内容を決めたいから声と仕草で追っ払う。
「先輩やっぱりひどいっすーっ!!先輩に褒めてもらいたくていつも誰よりも早く来てるのに!いいっす!!こうなったら皆の倍以上走っていっぱい褒めてもらうっすーっっ!!」
ダダダダダッバタンッ
またきゃんきゃん叫んで今度は少し優しくドアを閉めていった。
「あいつは嵐か…。そして倍以上走る意図を言われたら褒めようという気にもならないぞ。まったく…犬みたいだな本当。だけど学習能力はあるらしいな…一時的だろうが。」
苦笑いをしながらも満更ではない俺はさながら飼い主といったところか。
無自覚同士のもどかしい恋愛とか好きです
がしかし。
書けません。
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