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本当に わからない
かえりたいのか
このままでいいのか
どうでもいいのか
寝ても覚めても
何も見えない中で
自分さえ わからない……
「君は何で?」
声が真横に移動していた
「どうしてここに?」
どうしてと 尋ねられ
迷う 何にかは
わからないけれど
けれど
わたしの中で渦が顔を出した
「見たくないから?」
“…見たくない”
その渦は明色と影色
「なにを?」
“あの人たちも”
“影も”
「明かりでさえも?」
廻る巡る
影色と明色
温かいのも冷たいのも
混ざって交わって
目を閉じた
“わかった”
“かえらなくていいの…”
暗い影は嫌い
温かい明かりは
気持ちがいいけど
けれど
温かいと影が消えない
頬に温もりが触れた
男の子が頬に触れたんだ
頬に触れたまま
声は少し柔らかみを帯びた
「今も月は明るいのに?」
影が在るから
出たくない
例え明るくても
“暗いから”
「暗いから
温かくもあるんだよ」
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