迷い

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残されるのが 放って行かれるのが 独りで置いてかれるのが “怖い” 必死で手を伸ばした 掴める物が無いか足掻いた 僅かでも虚空を欠く 自分の手が悲しかった まだ在ってと願った そこに居てと祈った けれど 空を切った手が 自分の身体が 傾く 倒れる ただそれだけなのに 底無しの穴に 落ちてくかのような感覚 底無しだと思ったそれは 思いの他 早く終わった 何かが迫る ぶつかる  そう思った けれどそれは 優しく受け止めてくれた 温かい… そこにまだ在った温もり それが わたしを受け止めてくれた
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