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「ほら やっぱり寂しい」
声が言った
寂しい?
そこに在った温もりに驚き
言葉の意味が解らず
見えない顔を覗き込む
「無くなってしまうのが
寂しくて悲しい
だから ほら」
頬に手を
温かったそれを
“涙”に触れた
「君が冷えていても
“涙”はあたたかいね」
そう言った声は
その手で頬に溢れた涙を掬ってゆく
「君ならまだ戻れるよ」
先程より
温もりある柔らかいものが
頬に触れている
“………”
何を言葉にすれば良いのか
わからない
「君が望むから」
ゆっくりと
触れた手が動き出す
溢れた涙を元の居場所へ
案内するように
行き着いた涙で
かわいた眼が満たされてゆく
温かくて
包み込むように
「きっと次は
ちゃんと見れるから…
明も影も
きちんと見てあげて?
同じように」
綴った男の子は
片目を亡くして
笑っていた
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