第1章

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「ずいぶんムキになるな。そんなにあの王子が大事か」 意地悪く目を細めて少年を見返し、リーダー格の男は勝ち誇った表情で肩をそびやかした。 「残念だが、おまえにあの王子は救えぬ。おまえはいずれ捕らえられる。あのお綺麗な王子は一生帝王さまの慰みものだ」 「そんなことはさせぬっ!このシャリオーヌ、命に代えてもライアスさまをお救いしてみせるっ!!」 涼し気な瞳に揺るぎない決意をみなぎらせて、シャリオーヌは両手で剣をかまえ直した。 「けなげなことだな。そんな細っこい体で、帝国の精鋭騎士や強大な妖精族にかなうと思うのか。言っておくが、俺たちは帝国の騎士団の中では中級クラスだ。遥かに強い連中が帝都にはうようよしている。退散するなら今のうちだぞ」
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