第1章

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「問答無用っ、参るっ!」 凛と叫んで、シャリオーヌは敏捷に地を蹴った。 白刃が、目にもとまらぬ速さで閃く。 鮮やかな一閃で手近なひとりを斬り伏せ、シャリオーヌは雷(いかづち)のごとき斬撃で右手の騎士の胴を払った。 漆黒の騎士団が色めきたって応戦体勢に入った時には、さらにふたりが深手を負って地面に倒れていた。 剣を真横に薙いだ姿勢のシャリオーヌに、複数の斬撃が唸りをあげて迫る。 キィン!キィン!キィン!キィン!キィン!キィン! 猛然と複数の白刃をはね返しざま、シャリオーヌは電光石火の攻撃で3人の敵を瞬時に斬り伏せていた。 風薫るさわやかな春の森に、激しい剣戟の音が響き渡る。 シャリオーヌの斬撃は、凄絶なまでの速さと鋭さを兼ね備えていた。 華奢な肢体が軽やかに躍り、銀光が凄まじい速さで閃くたびに、帝国の騎士たちが悲鳴と血しぶきをあげて地面に倒れてゆく。
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