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ものの5分も経たないうちにすべての敵を斬り伏せ、シャリオーヌは剣を鞘に収めた。
帝国の騎士団は残らず深手を負って、地面に倒れていた。
あれだけ激しく斬り結びながら、シャリオーヌには手加減するだけの余裕があった。
致命傷を負った者は、ひとりもいない。
木漏れ日が射す白い道に砂埃がかすかに舞い、激しい剣戟の余韻を留めているだけで、新緑の森には再び静けさが戻った。
「ライアスさま……もうしばらくご辛抱ください。このシャリオーヌが必ず……!」
痛まし気に眉をひそめてつぶやくと、倒れている帝国の騎士団には一顧だにくれず、シャリオーヌは静かに踵を返した。
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