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「おまえには、たっぷり償ってもらう。あいつを殺(あや)めた罪の深さを身をもって知るがいい」
残酷そうに目をきらめかせて、帝王はライアスから身を離し、傍らの支柱に鎖を繋ぎとめた。
屈強な騎士がふたり、ライアスの華奢な手首に枷を嵌めて動けぬように固定した。
黒光りする鋼鉄製の枷には長い鎖がついていて、天井から突き出たふたつの鉄の環にそれぞれ繋がれていた。
ライアスは、小さくあえいだ。
不安と怯えが、交錯して胸に逆巻く。
足は床に着いているし、左右の頭上にかかげられた腕もまださほど痛くない。
でも、何をされるかわからないのは、やはり怖かった。
怯え切った少年の顔を、帝王は愉し気に眺めた。
「いい格好だな。どんな風に償ってもらおうか」
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