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口先ではそう言いながら、ライアスにどんな責めを課すか、既に決めている様子だった。
ライアスの背後の騎士に帝王が目配せすると、鋭く空を切る音がして、背中に凄まじい激痛が弾けた。
ビシィッ!!
「あうっ!!」
ライアスは、顔を歪めてのけぞった。
可憐な唇から、激しいあえぎが漏れる。
「……あっ……くっ……!」
ほっそりした肢体をよじって、ライアスはもがいた。
背中が、熱く疼いている。
「どうだ、鞭の味は……」
スッと目を細めて、帝王は残忍な微笑を唇に刻んだ。
「鞭で打たれたことなどあるまい。城の奥で蝶よ花よとさぞ大切に慈しまれてきたのだろうな。だが、これからはそうはいかぬ。あらゆる苦しみをおまえに与えてやる」
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