第2章

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古来より、アスラン帝国では、人間と妖精族との恋愛をタブー視してきた。 あまたの妖精王国を支配下に置きながら、アスラン帝国では妖精族との恋愛はご法度、みつかれば厳しく糾弾され、死罪に処せられた。 ところが、あろうことか、アスラン帝国の王弟といばらの妖精姫が恋に堕ち、駆け落ちしてしまった。 当然、アスラン帝国では大騒ぎになり、ふたりを連れ戻すべく追手がかかった。 帝王は弟を城に連れ戻し、いばらの妖精姫と別れるよう、説得するつもりだった。 溺愛する弟が死罪になるのを何とか回避しようと、必死でふたりを追跡させた。 断崖に追い詰められたふたりは、思いあまって海に身を投げ、心中してしまった。 最愛の弟をたぶらかし、死に至らしめたいばらの妖精姫を恨み、その祖国を滅ぼすべく、帝王は精鋭騎士団を率いていばらの妖精王国に乗り込んできたのだった。
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